五、琵琶湖々上の心中 第七章 余録

五、琵琶湖々上の心中 香りの高き白百合の吉子 『一番香りの高い花を手向けてよ』との遺書を残して琵琶湖々中の藻屑の露と消えた芸妓吉子は白山花街の三河家の養女であった。...

四、故参芸妓の昔語り 第七章 余録

四、故参芸妓の昔語り 八重子、メ吉、小糸、稲三姐さん連 白山花街の古参芸妓として嘗つては御客様連からヤンヤと喝釆された腕達者芸達者の八重子姐さん、〆吉姐さん、小糸姐さん、稲三姐さん等は何んと言つても白山草分の珍宝である。否活字引である。一夜島田支配人の肝入りで、此等の姐さん連からいろヽの昔話を聞く。...

三、大鯉夫婦の放生会 第七章 余録

三、大鯉夫婦の放生会 利根川より瓢箪池へ 慥か大正四年頃であつたと記憶する。...

二、白山三業の催し物 第七章 余録

二、白山三業の催し物 白山三業が其所属芸妓をして初めて公開出演せしめ、世人の喝采を博したのは、去る大正十二年同月二十六日から同三十日迄、上野公園に開催された大正博覧会を以て嚆矢とする。其番組は上の卷(長唄)四季の蝶、下の卷(常盤津)初音の里春賑であったが、其の出演者は左の通りである。 上の卷(長唄)岡季蝶...

一、八街山不動尊と縁日 第七章 余録

第七章 余録 一、八街山不動尊と縁日 指ヶ谷町花街近傍地に銀座せる八街山不動尊は千葉県成田八街山不動尊の御姿を奉遷し来れるもので、本郷小石川両区の大地主、本郷二丁目の萩原太兵衛氏先代より尊崇し奉る所縁にて大正十年末に至り、同氏が自己の所有地たる前記の場所に移遷し奉ったものである。...